2026年10月28日公開

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自然災害や事故、サイバー攻撃など、企業が備えるべきリスクは多岐にわたります。こうした緊急事態に備え、BCP(事業継続計画)を策定・見直すことが重要です。

一方、初めて担当する方は「何から備えればよい?」「AEDはなぜ必要?」と迷うこともあるでしょう。BCPでは事業の継続・早期復旧に加え、従業員や顧客の安全確保も欠かせません。

本記事では、BCPの基礎からAEDを備える必要性、設置方法、救命訓練の進め方まで分かりやすく解説します。

【この記事で分かること】

  • BCPでは重要業務の継続・早期復旧とともに、従業員や顧客の安全確保が重要である
  • AEDは設置するだけではなく、緊急時に速やかに使用できる救命体制の整備が大切となる
  • AEDは移動時間や施設の構造を考慮し、誰もがアクセスしやすい場所への配置が必要になる
  • 防災訓練やAEDの操作トレーニングを継続し、緊急時の対応力を高めることが重要である

BCP(事業継続計画)とは? 企業が策定すべき理由

BCP

BCPは、緊急事態でも重要業務を継続し、早期復旧を図るための計画です。平時から対応を整理し、事業停止などのリスクに備える必要があります。

緊急事態における事業の停止や倒産を防ぐため

BCPでは、災害や事故などが発生しても重要業務を継続し、中断した場合は可能な限り早期に復旧できるよう備えます。

事業停止が長引けば、売上の減少だけではなく、顧客の流出や企業評価の低下などを招く可能性があります。特に経営資源に限りがある中小企業では、経営への影響も無視できません。

そのため、平時から優先する業務や必要な経営資源を整理しておくことが大切です。従業員の安全や設備、情報などを守り、早期復旧につなげる体制を整えましょう。

自然災害やサイバー攻撃など多様化するリスクに備えるため

企業が備えるべき緊急事態は、地震や台風などの自然災害だけではありません。事故や感染症、サイバー攻撃なども事業継続を妨げる要因となります。

また停電や通信障害、サプライチェーンの途絶などが発生すれば、重要業務を続けられない可能性もあるでしょう。企業によって、想定すべきリスクや事業への影響は異なります。

自社の業種や規模、所在地などを踏まえてリスクを洗い出してください。その上で重要業務への影響を検討し、継続・早期復旧に向けたBCPを整備することが重要です。

参照:内閣府防災情報「企業防災のページ(内閣府防災担当)」

企業のBCPにおいてAEDの設置が不可欠な理由

BCPでは、事業の継続だけではなく、人命の安全確保も重要です。突然の心停止や災害時の救急対応に備え、AEDを速やかに使用できる体制を整えておくとよいでしょう。

従業員や来客者の「命を守る」ことが最優先されるため

BCPでは、重要業務の継続や早期復旧に先立ち、従業員や来客者などの安全確保が重要です。人命を守ることは、事業を再開するための基盤にもなります。

災害時には、けがや体調不良だけではなく、突然の心停止が起こる可能性もあります。心停止が疑われる場合は、119番通報や胸骨圧迫を速やかに行うことが大切です。必要に応じてAEDを使用し、救急隊の到着まで一次救命処置を続けます。

AEDを設置する際は、場所の周知や操作方法の習得も欠かせません。緊急時に迅速に対応できる体制まで整えておきましょう。

災害時に救急車や救急隊がすぐに到着できないリスクがあるため

大規模災害では、道路の寸断や交通混雑が発生する可能性があります。また救急要請が集中し、救急隊の到着に時間を要するケースも想定されます。

突然の心停止が発生した場合、救急隊を待つ間の対応が重要です。周囲の人が119番通報や胸骨圧迫を行い、必要に応じてAEDを使用できる体制を整えておきましょう。

企業では、AEDを設置するだけではなく、必要なときに速やかに取り出せる環境づくりも必要です。設置場所の周知や救命訓練を平時から行い、初動に対応できるよう備えてください。

参考:旭化成ゾールメディカル「防災の日・防災週間とは?企業・地域社会でできる災害対策とAEDの重要性を解説」

BCPにおいてAEDを導入するメリット

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BCPにAEDを取り入れることは、社内の救命体制の強化につながります。また、人命を重視する取り組みは、社会的責任や地域貢献の観点からも重要です。

安全配慮義務を果たし企業の社会的責任を強化できる

企業には、従業員が安全に働けるよう必要な配慮をする「安全配慮義務」があります。ただし、安全配慮義務があるからといって、全ての企業にAEDの設置が義務付けられているわけではありません。

AEDの設置は、職場の安全確保に向けた取り組みの一つです。日常点検や設置場所の周知、救命訓練なども組み合わせることで、緊急時の対応力を高められます。

また、人命を重視したBCPを整えることは、企業の社会的責任を果たす上でも大切です。従業員や来客者の安全に配慮する姿勢は、顧客や取引先などからの信頼にもつながり得るでしょう。

地域住民への開放による地域貢献と信頼性の向上につながる

企業のAEDを第三者も利用できる環境にすれば、地域の救命体制に貢献できます。災害時には公的機関による「公助」に加え、地域で助け合う「共助」の視点も重要です。

地域へ開放する場合は、設置場所や利用可能時間などを分かりやすく周知しましょう。AEDの設置情報をAEDマップ等に登録することも、緊急時の利用につながります。

こうした地域の安全を支える取り組みは、住民との関係づくりにも役立ちます。ただし、施設の開館時間や立ち入り方法を考慮し、実際に利用できる環境を整えることが大切です。

参照:財団全国AEDマップ「ようこそ日本救急医療財団 全国AEDマップへ」
公益財団法人 日本AED財団「AED N@vi」

BCPに役立つAEDの適切な設置場所と配置ルール

AEDは、必要なときに速やかに取り出して使用できる場所へ設置することが重要です。施設の広さや構造、移動時間、見つけやすさを考慮して配置を検討しましょう。

心停止から5分以内に電気ショックを行える片道1分以内の場所

AEDの配置では、台数だけではなく、実際に使用するまでの時間を考える必要があります。AEDの適正配置では、長くても心停止から5分以内に電気ショックを行えることが望まれています。

そのため、AEDは現場から片道1分以内で到達できる場所への配置が目安です。距離だけではなく、階段やエレベーター、扉なども考慮してください。

高層ビルでは各階への移動経路を踏まえた配置が必要です。広い工場や事業所では、複数台の設置や運搬方法、連絡体制も検討しましょう。訓練時に実際の移動時間を確認することも有効です。

誰もが迷わずアクセスできる開錠された場所

AEDが近くにあっても、設置場所が分からなければ迅速な使用につながりません。施設の入口付近や人通りが多い場所など、目に入りやすい位置への設置を検討しましょう。

案内表示やサインを設け、複数階の建物では設置フロアも分かるようにしてください。また、緊急時に鍵の管理者を探す必要がないよう、速やかに取り出せる収納方法が重要です。

夜間や休日などは、施設の状況によってアクセスできない場合もあります。利用可能時間も考慮し、平時から従業員へ設置場所を周知しておきましょう。

参照:一般財団法人日本救急医療財団「AED の適正配置に関するガイドライン」

実効性を高める防災訓練とAED講習の進め方

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BCPやAEDは、整備して終わりではありません。緊急時に適切に行動できるよう、定期的な訓練を通じて対応手順を確認することが重要です。

マンネリ化を防ぐための具体的な災害シミュレーション

毎回同じ流れで防災訓練を行うと、手順をこなすことが目的になりがちです。地震や火災、水害など、自社で起こり得る状況を設定しましょう。

例えば「避難経路が使えない」「負傷者が発生した」などの想定が考えられます。「AEDが必要になった」といった状況を加える方法もあります。

訓練の途中で新たな状況を伝え、その場で判断する方法も有効です。終了後は課題を振り返り、BCPやマニュアルの改善につなげてください。自社だけで企画が難しい場合は、消防署や自治体などへの相談も検討しましょう。

全従業員を対象とした心肺蘇生法とAEDの操作トレーニング

AEDを設置するだけではなく、緊急時に対応できる従業員を増やすことも大切です。消防署などが実施する普通救命講習では、胸骨圧迫やAEDの操作方法を学べます。

社内訓練では、傷病者の発見から119番通報までを確認しましょう。さらに、AEDの手配や胸骨圧迫、AEDの使用までを一連の流れで練習します。

オンライン教材や公的機関の動画は、基礎知識を学ぶ際に活用できます。ただし、実技を伴う講習と同じではありません。幅広い従業員が継続的に学べる仕組みを整え、定期的に対応手順を確認しましょう。
旭化成ゾールメディカルでも、「AEDの使い方と心肺蘇生の流れ」など、一次救命に関するさまざまな動画をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

参考:旭化成ゾールメディカル「AED講習はどこで受けられる?一次救命処置を学ぶ重要性と講習の内容・受講方法とは」

まとめ

BCPでは、重要業務の継続・早期復旧とともに、人命を守るための備えも重要です。AEDを救命体制に組み込み、適切な配置や日常点検、設置場所の周知、継続的な訓練まで行いましょう。

旭化成ゾールメディカルでは、AEDの購入・リース・レンタルに関する相談を受け付けています。導入方法や設置、日常点検などでお悩みの場合は、お気軽にお問い合わせください。