突然の心停止から傷病者を救命し社会復帰に導くためには、4つの要素の『救命の連鎖』が不可欠です。
これらの要素の中で「早期認識と通報」はもちろんですが、胸骨圧迫やAEDによる一次救命処置は、その現場に居合わせた人に委ねられており、適切な救命処置が目の前の命を助けることにつながります。一次救命処置については、各種団体などが主催する救命講習の受講をお勧めします。
胸骨圧迫(CPR)とは、心停止した傷病者の心臓付近を圧迫することにより脳や心臓に血液の循環を促す心肺蘇生を目的とした一次救命処置です。
2004年7月以降、医師・看護師・救急救命士以外の一般市民にも、一次救命処置の中でAEDの使用が認められ、これに伴い公共の場(学校や駅など)でのAED設置が増えています。また、AEDによる電気ショックを行った結果、突然の心停止を起こした人の命を救うことができたとの報道も目につくようになりました。
しかし、救助者ができる救命処置は、AEDによる電気ショックだけではありません。
報告によると、AEDによる電気ショックが必要な状況は約50%*と言われています。また、AEDによる電気ショックさえ行えば全ての命を救うことができるわけではありません。これら電気ショックが不要な状況の傷病者(心臓が完全に止まってしまっている状態など)を助ける唯一の方法は、胸骨圧迫と人工呼吸です。また、電気ショックが必要な状況においても、電気ショックの前と後に胸骨圧迫と人工呼吸を実施する必要があります。
つまり、AEDの使用だけでなく、救助者が行う胸骨圧迫の質を向上させることが一次救命処置では重要なのです。
*ショック不要割合:研究誼文
60% : M Eisenberg, T Mengert. "Cardiac Resuscitation." The New England Journal of Medicine. 2001;
344:1304-1313
49% : M Fredrickson, J Herlitz, J Engdahl. "Nineteen Years' Experience of Out-of-Hospital Cardiac
Arrest in Gothenburg - Reported in Utstein style." Resuscitation. 2003; 58: 37-47
52% . GH Bardy、KL Lee, DB Mark, JE Poole, WD Toff, et.al. "Home Use of Automated External
Defibrillators for Sudden Cardiac Arrest. " New England Journal of Medicine. 2008; 3516. 44
蘇生ガイドライン2015では、心肺蘇生の中でも胸骨圧迫(CPR)の重要性が再認識され、救命の際の胸骨圧迫の中断時間を最小限にすることがより強調されました。つまり、胸骨圧迫の質を向上させることが心肺蘇生の質を向上させることに繋がります。
ZOLL AED Plusは、胸骨圧迫ヘルプ機能により
実際の胸骨圧迫の深さとテンポをモニタリングし、胸骨圧迫時に発するリズム音(適応型メトロノーム音)、音声ガイダンスとディスプレイ表示でフィードバックすることで、救助者を適切な胸骨圧迫に誘導するAEDです